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OMソーラーシステム
OMソーラーは、特別な機械装置を用いずに、屋根や開口部、床など、建物そのものの建築的工夫によって太陽エネルギーを利用する「パッシブソーラーシステム」です。
OMソーラーでは、屋根面そのものが集熱に利用されます。軒下から取り入れられた空気を、屋根に降り注ぐ太陽の熱で温め、その空気を、床暖房やお湯採りに使うのです。
また、夏の昼の排気や夜の涼風取り込み、さらには、新鮮な外気の流入による室内・床下における換気効果など、OMソーラーは、四季を通して活用できる「多機能ソーラー」です。
さらに詳しい内容はOMソーラー協会のサイトへ。
OMソーラー 冬の仕組み OMソーラー 夏の仕組み
図:冬の仕組み 図:夏の仕組み
OMソーラーへの歴史
OMに取り組む前は…
以前自分の住宅建築に対する認識は、「いい材料」で「腕のいい職人」を使い「雨漏りのしない」「丈夫で長持ちをする」家を造る、といったものでした。そこには住み心地、住みよさ、などは重要視しなくともよく、ただしっかりした建物を作ればそれなりに信用という評価をいただけました。
基本はこれで問題ないと思っていましたが、反面いつもこれでいいのかという一種のあせりみたいなものが付きまとっていました。今考えればなんとも心もとない仕事をしていたものだなと感慨に耽ります。
1通のDM
そんなときに馬鹿でかいダイレクトメールが届きました。いつもなら束ねてゴミ箱行きなのですが、何の気なしに手にとり便所に入ったのです(ウンノツキ)。読んでいるうちに「ウンこれだ!」とひらめいたのです。
当時は今と違い疑い深かったのでしょうか、協会という名前が付いているから公の団体だろう?・・・どうもそうではないらしい。壮大な名文?が書いてあるから完成したものだろう?・・・そうでもないらしい。浜松にモデルハウスを作っているから見に来いという。・・・これは本当かもしれない!
工学院大学(東京都八王子市)でお湯取りの実験をしているという。八王子まで出向くと、裸電球か何かの熱を利用して、パイプに入った水を温めています。確かに出てくる水は温かかったのですが、お湯というには程遠いシロモノものでした。しかしスタッフかサクラか知らないのですが、周りの人間は手をかざしながら一同に「暖かい」を連発しています。確かこの場に奥村先生も立ち会っておられたと思いますが、やけに冷静で覚めた物腰に逆に安心感を得たことをよくおぼえています。
社長の動きが普段の動きと違うことを察した社員からは、また「殿のご乱心」が始まった、と陰口をたたかれる始末。無理もない、今日だけ生きるのならあえて新しいことに取り組まなくても食えるのですから。しかし、明日も明後日も生きていかなければならない、社員が反対すればするほど取り組んでみようという変な反発と確信が沸いてきたものです。
いざ浜松へ
イメージ写真半分眉唾と思っているものを引き連れて、浜松の展示場に行った。室内はそれほど暖かいとは感じませんでしたが、ダクトから出てくる空気は確かに暖かく、原理は至極「簡単でシンプル」。気になることは屋根に穴を開けること、それは自分のこれまでの考え方とは明らかに異質のもの、絶対にやってはならないことでした。
それにもまして参考になったのは展示場の建物そのものでした。悔しいけれど、こんな住宅を設計したことがありませんし、作ったこともありませんでした。どう負け惜しみをしてもかなわないと思いましたね。
そして入会
零細企業(我社のような)にとって、いい物でもなかなか取り組めない事情は山ほどあります。「人」「金」「もの」「時間」どれも足りません。今までの自分は「迷ったらやらない」タイプ、しかしこの時はいつもの自分と違っていました。殿のご乱心と冷ややかに模様眺めしている者に、ちょうど会社設立20周年をよいことに、「俺に入会金相当と、時間をくれ」と、訳のわからない説得をしてOMとの契約書のハンを押しました。そのすべてを「ドブに捨てるようなことになるかもしれない」という一抹の不安をもちながら。
モデルハウス(自宅)の建築
入会の条件として「モデルハウスの建築」という項目がありました。言われるまでもなく、このシステムは説明よりも、「一見は百聞に如かず」。体験体感しなければ理解の範疇を超えられないシロモノと覚悟はしていました。まして今と違いシミュレーションは言うに及ばず、施工マニュアルさえ無く、今まで施工した工務店(浜松・マルモ中村住宅)の図面(主に集熱屋根)を2〜3枚与えられ、「大体このようにやればいい」程度のものだった(なぜかこの辺はよく覚えていないのです。無我夢中ということだったのでしょうか…)。
やってみなければ良いのか悪いのか見当もつかないものを、お客様に勧めるわけにはいきません。ことここに到っては火の粉を自分に降り掛けるしかない、と清水の舞台に立ちました(記録を見ると、どういう訳か入会前の1987年3月2日よりプランに着手しています)。
ロゴ:OMソーラーの家とにかく入会した年、1987年の7月15日、上棟にこぎつけました。浜松の展示場に少しでも近づけたいと思って取り組んでみたものの、所詮物まね、贋作になることに気づき、自分なりに作り上げることにしました。
建前をして、一番心配したのは集熱のための屋根に穴をあけることで、板金職人には「こんな仕事はしたことが無い。本当に大丈夫か?」と心配され、集熱ガラスの取り付けに立ち会ったガラス職人からは、「普通、ガラスというものはタテに取り付けるもので、それも屋根の上に張るなんて聞いたことも、やったことも無い」と驚かれました。
やることなす事すべて初めてのことばかり。とにもかくにも、信じられるのは奥村先生の考えた「モノ」、頼りにしたのは、いささか胡散臭いが熱意だけは感じ取れる協会スタッフ。注意され耳に残っている空気漏れに気を使い、意地と根性で作り上げ何とか形になりました。
そして煙試験。見たことも使ったことも無い発煙筒なるものに火をつけテスト。きれいに床下に流れてきました。そして暖かかった。心なしか浜松より暖かく感じた。殿のご乱心の成果を確かめようと立ち会った者もそれぞれに手をかざしながら、誰からともなく万歳が出ました。そして確信しました。「これはいける」と。
試行錯誤の末に何とか1988年2月に我が家が完成しました。どういう訳かその年の3月に通産省(現経済産業省)、建設省(現国土交通省)の検査視察があると言われ慌てたこともありました。奥村先生にも出来具合を見てもらいました。感想を伺うと「いいんじゃない」の一言。ほめられたと思っていたら何のことは無い、先生は良くても悪くても全部認めてくれる方だという話を聞いて、複雑な思いをしたものです。後日何かの手記に、「大断面の材料をふんだんに使われていた」という件がありました。今ではすべてが良い経験、思い出となっています。
住んでみて
OMソーラーの家にすんで16年になります。最初に取り付けたハンドリングボックスは夏冬の手動切り替えダンパー式で、季節の変わり目に小屋裏にもぐりこみ「ガチャン」と切り替える私の大好きなモノでしたが、制御盤が改良されたことを機に取り替え、夏冬の切り替えは自動になりました。あとはそのままで、現在のOMソーラーのように細かい制御はできませんが、それでも冬ストーブ一個、コタツ一個(妻専用)、夏はクーラー扇風機なしの快適な暮らしをしております(私はそれほど我慢強いほうではありませんが)。
OMの老舗工務店として
作ってみなければわからなかった我社のOM第一号から16年、今ではプランの段階で温熱環境、省エネ率等がシミレーションできるようになり、安心してお客様にお勧めできるようになりました。
私どものOMソーラーの家作りは、OMを使うことが住まい作りの目的ではなく、OMを使わなくても快適な住まいを作ることが基本となっています。そのうえでOMソーラーに期待できることは、もっと「快適で住みやすく」「耐久性の向上」「省エネになる」ということです。環境とのつながりを感じられることも、暮らしのなかのささやかな楽しみになります。―――良いものだから「使わなければ損」、「良いものだから使おう」―――この素直な気持ちが、OMの家作りを支えています。
おかげさまでOMソーラーの家の実績は、平成14年12月現在で、170棟(内フォルクスA・15棟)を超え、住宅工事の約90%を占めております。これからも、この地球環境と人にやさしいOMソーラーの家を一人でも多くの方に知っていただき、ご採用いただくように研鑚を重ねてまいります。
共生建設株式会社 mail : info@kyo-sei.com
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